2023年07月10日
発達障がいの睡眠事情について
こんにちは♪
障がいがある人の就職を全力サポートする障がい者ビジネススクール「ユニカレさが」 精神保健福祉士・職業指導員の加藤 です。
先週から佐賀市は大雨や雷警報が出るなど、急な悪天候が目立ちました。そんな中でも、天候対策をした受講生たち、元気に来所され社会人としての意識の高さを感じたところです。
さて、今回の内容は、発達障がいASDやADHDの特性をもつ方の「日中の眠気
」についてです。
私の周りにも発達障がいの特性により、眠気による働きづらさ、社会生活のしづらさを感じている人がいます。彼らは学生時代、社会生活において「やる気がない」「集中力が続かない」などとイメージをもたれていることが少なくありません
本人も眠気により、気分や集中力の低下、注意力散漫、ワーキングメモリ（短期記憶）の低下、慢性疲労などから物忘れやミスが増え、日常生活に困り感を覚えていることがあります。
しかし、まずお伝えしたいことは、自閉スペクトラム障害ASD（以下よりASD）、注意欠陥多動性障害ADHD（以下よりADHD）の特性をもつ方は、発達障がいの特性がない方と比べ日中の眠気をもつリスクが高いということです
なぜASDやADHDの方に睡眠障害が多く見られるのか、考えられる要因は以下のものが挙げられます。
・睡眠に必要なホルモン（メラトニン）の分泌が遅い
メラトニンは体に夜がきたことを知らせるホルモンです。
メラトニンの分泌が遅いことで、睡眠のリズムが乱れ、深い眠りが阻害され、
免疫力を高める効果が減少してしまいます。
・ノルアドレナリンやドーパミンの不足
ノルアドレナリンやドーパミンは、やる気や集中力を高めるために必要な神経伝達物質です。ADHDの特性として脳内で覚醒を司るノルアドレナリンやドーパミンの働きが低下し、覚醒維持が困難になることで眠気を感じます。
この脳内神経伝達物質が不足することで、注意力の低下、衝動・多動による疲労、本人の気分や意欲の低下に繋がり、眠気として表れるのです。
脳内神経伝達物質のバランスが乱れていることや、遺伝子による体質も関わっていると言われています。
具体的には、興味がなかったり退屈に感じたりする時間に強い眠気がきます。
一方で関心のあることに夢中になり過集中による脳疲労を起こすこともあります（過集中は本人に疲れの自覚はなし）。この場合、睡眠不足の眠気とは異なり、自身が興味・関心のある時間には眠気がこないのが特徴です。
このように伝えると「つまらない時間は誰だって眠く感じるものでしょう」と思われる人もいるかもしれません。
もちろん、その通りなのですが、発達障がいのＡＳＤやＡＤＨＤの特性がある人は、メラトニンやノルアドレナリン、ドーパミンの不足が要因となり、より大きく日中の強い眠気を引き起こしてしまうのです。
このようなことから、発達障がいの方の睡眠障害については社会全体で理解することが求められます
とはいえ、大勢の人がいる場面で、常に日中の眠気によるパフォーマンス低下が表れると、学校や社会生活の場面において本人へ不利益になるさまざまな問題が出てきます。
学校であれば成績の低下や遅刻、不登校などに繋がり、会社であれば仕事のミスが増えたり納期に間に合わなかったり、周りの人からやる気がないと見られてしまうこともあります。
決して本人のやる気や意欲がないというわけではないのに、実際のところは「いつも眠そうでやる気がない」「生活リズムの見直しを自分ですべきだ」などと、本人の評価が低くなってしまう現状は否めません。
その都度「これは神経伝達物質の不足のせいです」と理由を言うわけにはいかない状況もあるでしょう。そのため、社会全体での理解に加え、本人も自分でできる取り組みをすることが、結果社会生活の過ごしやすさに繋がってきます。例えば、他の人よりも長めに睡眠時間をとる、昼休みに20分ほど仮眠をとる、薬を服薬する（※メチルフェニデート徐放剤（コンサータ）など）・眠気防止のために1つひとつの作業時間を短くするよう会社に合理的配慮を求めるなど。
周りの理解と本人の取り組みにより、日常生活の過ごしやすさを確保することが大切です。（私個人の意見としては社会全体の理解がもっと進むことを望みます）
※厚生労働省による合理的配慮指針はこちら→【事業主が講ずべき措置に関する方針】
また、生活習慣の見直しにより睡眠の質を整えることも1つの方法です。
・起床後、太陽の光を浴びる
・朝食をとる
・一日三食の食事時間を毎日一定にする
・日中、有酸素運動など体を動かす
・入浴は就寝の２時間前にはすませておく
・就寝時にはスマホなどブルーライトを見ない
・入眠前のルーティンをつくる（読書・ストレッチ・トイレなど）
当事業所では、猛烈な眠気がきた際には、ひたすら眠気と戦いながらでは学びのパフォーマンスが落ちるため、顔を洗ってリフレッシュ推奨中です♪一旦その場を離れ、トイレへ行き体を伸ばすなどの動きにより気分転換作戦です
今週も読んでいただきありがとうございました(^^♪
障がいがある人のための就職応援事業所
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先週から佐賀市は大雨や雷警報が出るなど、急な悪天候が目立ちました。そんな中でも、天候対策をした受講生たち、元気に来所され社会人としての意識の高さを感じたところです。
さて、今回の内容は、発達障がいASDやADHDの特性をもつ方の「日中の眠気
」についてです。私の周りにも発達障がいの特性により、眠気による働きづらさ、社会生活のしづらさを感じている人がいます。彼らは学生時代、社会生活において「やる気がない」「集中力が続かない」などとイメージをもたれていることが少なくありません
本人も眠気により、気分や集中力の低下、注意力散漫、ワーキングメモリ（短期記憶）の低下、慢性疲労などから物忘れやミスが増え、日常生活に困り感を覚えていることがあります。
しかし、まずお伝えしたいことは、自閉スペクトラム障害ASD（以下よりASD）、注意欠陥多動性障害ADHD（以下よりADHD）の特性をもつ方は、発達障がいの特性がない方と比べ日中の眠気をもつリスクが高いということです
なぜASDやADHDの方に睡眠障害が多く見られるのか、考えられる要因は以下のものが挙げられます。
・睡眠に必要なホルモン（メラトニン）の分泌が遅い
メラトニンは体に夜がきたことを知らせるホルモンです。
メラトニンの分泌が遅いことで、睡眠のリズムが乱れ、深い眠りが阻害され、
免疫力を高める効果が減少してしまいます。
・ノルアドレナリンやドーパミンの不足
ノルアドレナリンやドーパミンは、やる気や集中力を高めるために必要な神経伝達物質です。ADHDの特性として脳内で覚醒を司るノルアドレナリンやドーパミンの働きが低下し、覚醒維持が困難になることで眠気を感じます。
この脳内神経伝達物質が不足することで、注意力の低下、衝動・多動による疲労、本人の気分や意欲の低下に繋がり、眠気として表れるのです。
脳内神経伝達物質のバランスが乱れていることや、遺伝子による体質も関わっていると言われています。
具体的には、興味がなかったり退屈に感じたりする時間に強い眠気がきます。
一方で関心のあることに夢中になり過集中による脳疲労を起こすこともあります（過集中は本人に疲れの自覚はなし）。この場合、睡眠不足の眠気とは異なり、自身が興味・関心のある時間には眠気がこないのが特徴です。
このように伝えると「つまらない時間は誰だって眠く感じるものでしょう」と思われる人もいるかもしれません。
もちろん、その通りなのですが、発達障がいのＡＳＤやＡＤＨＤの特性がある人は、メラトニンやノルアドレナリン、ドーパミンの不足が要因となり、より大きく日中の強い眠気を引き起こしてしまうのです。
このようなことから、発達障がいの方の睡眠障害については社会全体で理解することが求められます
とはいえ、大勢の人がいる場面で、常に日中の眠気によるパフォーマンス低下が表れると、学校や社会生活の場面において本人へ不利益になるさまざまな問題が出てきます。
学校であれば成績の低下や遅刻、不登校などに繋がり、会社であれば仕事のミスが増えたり納期に間に合わなかったり、周りの人からやる気がないと見られてしまうこともあります。
決して本人のやる気や意欲がないというわけではないのに、実際のところは「いつも眠そうでやる気がない」「生活リズムの見直しを自分ですべきだ」などと、本人の評価が低くなってしまう現状は否めません。
その都度「これは神経伝達物質の不足のせいです」と理由を言うわけにはいかない状況もあるでしょう。そのため、社会全体での理解に加え、本人も自分でできる取り組みをすることが、結果社会生活の過ごしやすさに繋がってきます。例えば、他の人よりも長めに睡眠時間をとる、昼休みに20分ほど仮眠をとる、薬を服薬する（※メチルフェニデート徐放剤（コンサータ）など）・眠気防止のために1つひとつの作業時間を短くするよう会社に合理的配慮を求めるなど。
周りの理解と本人の取り組みにより、日常生活の過ごしやすさを確保することが大切です。（私個人の意見としては社会全体の理解がもっと進むことを望みます）
※厚生労働省による合理的配慮指針はこちら→【事業主が講ずべき措置に関する方針】
また、生活習慣の見直しにより睡眠の質を整えることも1つの方法です。
・起床後、太陽の光を浴びる
・朝食をとる
・一日三食の食事時間を毎日一定にする
・日中、有酸素運動など体を動かす
・入浴は就寝の２時間前にはすませておく
・就寝時にはスマホなどブルーライトを見ない
・入眠前のルーティンをつくる（読書・ストレッチ・トイレなど）
当事業所では、猛烈な眠気がきた際には、ひたすら眠気と戦いながらでは学びのパフォーマンスが落ちるため、顔を洗ってリフレッシュ推奨中です♪一旦その場を離れ、トイレへ行き体を伸ばすなどの動きにより気分転換作戦です
今週も読んでいただきありがとうございました(^^♪
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Posted by ユニカレさが at 08:00
│発達障害
